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マンハッタン物語

2016.12.09 20:22|ロバート・マリガン
Love-With-a-Proper-Stranger-1963-original-vintage-UK-quad-film-movie-poster_large.jpg

 マンハッタン物語(1963)


≪あらすじ≫
マンハッタンのデパートに勤めるアンジー(ナタリー・ウッド)は、楽士ロッキー(スティーヴ・マックィーン)と一夜を過ごし妊娠した。アンジーはロッキーを探し出し中絶のための医者を探してく欲しいと告げる。


ロバート・マリガン監督作品が続きます。
今日はマックィーンとナタリー・ウッドが共演したラブコメ・・
と言っても、2人はワンナイト・スタンドで一夜を過ごした間柄で、冒頭からナタリー演じるアンジーが、中絶するから医者を探してと言うのだから普通のラブコメとはちょっと違う。

アンジーを覚えてもいなかったロッキーも、責任を感じて中絶の世話をすることに。
費用を折半し、それでも足りずにロッキーは両親に金の無心・・
でもロッキーが言いだす前から両親は「母さんに言うなよ」「パパには内緒よ」と
それぞれがロッキーにお金を握らせてくれるのだから、なんだかあたたかい。

ロッキーの家も、アンジーの家もイタリアからの移民だ。
アンジーの結婚観にも、中絶までの間に二人が過ごす時間にも移民の暮らしが見えてくる

中絶手術の時間が迫る中、なぜかアンジーの兄たちに追われ街を逃げ惑う二人。
ようやく指定された場所に行ってみれば、そこは家具さえない古びたアパートの一室。
トランクから取り出し並べられるいかにも怪しい手術道具を目にし、ロッキーは「彼女に指一本も触れるな」と、アンジーを連れて部屋を出る。

人工中絶について描く映画に「主婦マリーがしたこと」「四ヶ月、三週と二日」「ヴェラ・ドレイク」「サイダーハウス・ルール」などが記憶に新しい。本作もやくざがらみのヤミ中絶の実態を垣間見せる部分がリアルだ。
LoveWithTheProperStranger-1.jpg
素性も知らないもの同士が、中絶のために奔走するうちに惹かれ合うも、紆余曲折あって離れ離れに。
しかし互いに成長した彼らはマンハッタンの街角で再会する。
ラストシーンが素敵だった。
アカデミー賞でナタリー・ウッドの主演女優賞等5部門にノミネート
独り立ちしてからのナタリー・ウッドの美しいこと。

中絶騒動の後、ロッキーの売春婦の恋人の部屋で眠るアンジー、いつの間にか彼女に寄り添うワンコたちが可愛い
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映画データ
原題:Love with the Proper Stranger
製作国:アメリカ
監督:ロバート・マリガン
脚本:アーノルド・シュルマン
出演:ナタリー・ウッドAngie
   スティーヴ・マックィーンRocky
   イーディー・アダムスBarbie
   ハーシェル・ベルナルディDominick
   ハーベイ・レンベックJulio
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テーマ:映画感想
ジャンル:映画

タグ:ま行 60年代 スティーヴ・マックィーン ナタリー・ウッド

マックィーン『ハイウェイ』

2016.12.05 10:34|ロバート・マリガン
 
baby.jpg


ハイウェイ(1964)


≪あらすじ≫
テキサスの小さな町にジョージェット(リー・レミック)が娘のマーガレット(キンバリー・ブロック)をつれてやってきた。仮出所する夫ヘンリー(スティーヴ・マックィーン)をむかえにきたのだ。


 マックィーン演じる仮出所中の若者ヘンリーが初めて見るわが子と妻を迎え新しい生活を始めるが、やがて再び傷害事件を起こし、家族は離れ離れになる。

 なんともやるせない人間ドラマだ。
生産性のない陰鬱な映画と云う評価が付きまとうのもわからないではない。

 ちょっとのことでキレてナイフを振りかざすヘンリーはどうしようもない男で、マックィーンは彼史上最も嫌われキャラかもしれない。しかしヘンリーが何故そんな人間になったのかと考えるとき、この映画はエポック的な意味を持つことになる。

 ヘンリーが暴力の衝動にかられてしまうのは、幼い頃に親に捨てられ、引き取られた後継人のミス・ケイトに虐待を受け育ったことに起因する。わが子を愛しいと思い、妻と穏やかに暮らしたいと願っている。自分の家族に手を上げることはないが、自らの暴力が家族の夢をぶち壊す。虐待を受けた人間は、内から湧き上がる暴力性に抗うのが難しいという、やるせない現実がそこにあった。
60年代という早い時期にこの真理に迫ったところに、監督ロバート・マリガンの人間観察の鋭さを感じる。

 序盤、ベッド上で電話をかけるミス・ケイトの姿を一瞬見せはするが、全貌があらわになるのは死をまじかに控えた彼女をヘンリーが一人見舞う終盤のみ。彼女は死の床にあってなお、ヘンリーを否定し、悪態をつくのだ。
ダークな恐怖の対象を最後の最後まで見せない手法は、『レッド・ムーン』のインディアンの見せ方に通じる。
ミス・ケイトの玄関前の、枯れ枝がうっそうとした感じは、その家がホラーの根源であることを表していかのごとし。

sillage-de-la-violen-ii-65-02-g.jpg
 妻ジョージェットを演じたリー・レミックは、娘に平凡な幸せを与えたい母親を好演している。
母子を見守る保安官スリムはおそらくジョージェットに恋心を抱いているのだが、その思いを表に出すことはない。
 ラストシーン、護送されるヘンリーの車とジョージェット母娘を乗せたスリムの車がハイウェイのインターセクションですれ違う。かねてから、スリムにはいい女性と出会って幸せになって欲しいと言っていたヘンリー。
庭に植えられたミルクが届けた苗木と、明らかにお似合いのミルクとジョージェットの姿に、未来へのかすかな希望を垣間見た気がして少しホッとする。

吹き替えだと思うが、なぜかマックィーンの歌に惹かれないのは、歌ってる本人が楽しそうじゃなかったから。


映画データ
原題:Baby The Rain Must Fall
製作国:アメリカ
監督:ロバート・マリガン
脚本:ホートン・フート
出演:スティーブ・マックィーンHenry_Thomas
   リー・レミックGeorgette_Thomas
   ドン・マレーSlim
   キンバリー・ブロックMargaret_Rose_Thomas
   ジョセフィン・ハッチンソンMrs.Ewing

テーマ:映画感想
ジャンル:映画

タグ:は行 60年代 スティーヴ・マックィーン リー・レミック

レッド・ムーン

2016.11.30 23:44|ロバート・マリガン
stalkingmoonposter.jpg
 レッド・ムーン(1958)

ロバート・マリガン監督による西部劇
The-Stalking-Moon-Robert-Mulligan-1968-2.jpg
1881年、インディアンとの争いはほぼ終わり、たまに居住区を嫌いよそでいざこざを起こすインディアンの制圧に騎兵隊が出向いて交通整理をする、そんな時代。
この道15年のサム・バーナー(グレゴリー・ペック)が出向くと、インディアンの集団の中に子供を連れた白人女性がいる。サラと名乗るその女性は幼い頃にインディアンに捕らえられ、子供はインディアンとの間にできた子だった。騎兵隊はサラと子供を保護しサラを故郷に連れていくことを約束するが、サラは隊の同行を待てずすぐに出発することを懇願。この仕事を最後に、余生過ごすニューメキシコに向かうことになっていたサムが同情から二人を途中の駅まで送る役を引き受ける。
ところがサムは行く先々で白人たちを無残な死体を目にすることに。
サラを捕らえていたインディアンが、子供奪還のため後を追っていたのだ。

stalking02.jpg
本作が作られた1968年ともなると、勧善懲悪の西部劇は作られなくなってくる。本作も土地争奪のためインディアンと白人が戦うありきたりの西部劇ではなく、子供を取り戻さんとするインディアンとの戦いをサスペンスフルに描くという現代的なもの。

原題『Stalking Moon』のStalkingは獣が音もたてずに獲物に忍び寄るさまを意味するものであり、サラによると彼は音もなく敵に近づくのだという。「ストーカー」に使われるように執拗に相手に近づくという意味もあって、どこまでも執拗に追ってくる恐ろしさを如実に表している。
インディアンにやられた白人が死ぬ前に「あんな奴見たこともない」などと口走るのもあって、想像はとんでもなく膨らんだし、迫りくるインディアンの姿を最後の最後まで見せない演出も怖さをさらに助長し効果的だった。
stalking2.jpg
グレゴリー・ペック演じるサムも、怪我の応急処置の手つきなどに戦闘経験の豊富さをうかがわせる。
インディアンからの銃撃を逃れるため子供を盾にしたり、決して完全無欠のヒーローではないけれど、死体を必ず葬る
律義さがペックらしい。
サラ役には『北北西に進路をとれ』のエヴァ・マリー・セイント。
他人を巻き込むことに罪悪感を覚えながらも、子供のためにも道を切り拓こうとする女性を地味ながらも力強く演じている。ただしつけまつげには興をそがれた。

岩場での死闘など、体を張ったアクションも、CGのない時代であることを思うと一層見ごたえがある。
時にカメラがインディアン目線となり、緊張感の高まりが半端なかった。



映画データ
原題:The Stalking Moon
製作国:アメリカ
監督:ロバート・マリガン
脚本:ポール・メイヤーズバーグ
出演:グレゴリー・ペックSam_Varner
   エバ・マリー・セイントSarah_Carver
   ノーランド・クレイHer_son
   ロバート・フォスターNick
   Arussel Thorson Ned
原作:マーショル・ホウツ


テーマ:映画感想
ジャンル:映画

タグ:ら行 60年代 グレゴリー・ペック

ロバート・マリガン 監督作品一覧

2016.11.05 14:34|ロバート・マリガン
ロバート・マリガン
(1925/8/23~2008/12/20)
Robert Mulligan

マン・イン・ザ・ムーン/あこがれの人 (1991)<未> 
マイフレンド,クララ (1988)<未>
キスミー・グッバイ (1982)
愛の断層 (1978)<未>
セイム・タイム、ネクスト・イヤー (1978)<未>
秘密組織・非情の掟 The Nickel Ride(1974)<未>
悪を呼ぶ少年The Other (1972)
おもいでの夏 Summer of '42 (1970)
幸せをもとめて The Pursuit of Happiness(1970)
レッド・ムーン The Stalking Moon(1968)
下り階段をのぼれ Up the Down Staircase(1967)
サンセット物語 Inside Daisy Clover (1965)
ハイウェイ Baby the Rain Must Fall(1964)
マンハッタン物語Love with the Proper Stranger (1963)
アラバマ物語  To Kill a Mockingbird(1962)
ジャングル地帯  The Spiral Road(1962)
九月になれば Come September (1961)
おとぼけ先生The Great Impostor (1960)
ねずみの競争The Rat Race (1960)
栄光の旅路Fear Strikes Out (1957)

テーマ:映画情報
ジャンル:映画

キスミー・グッバイ

2016.11.05 13:46|ロバート・マリガン
kiss-me-goodbye-movie-poster-1020231440.jpg

キスミー・グッバイ(1982)

ロバート・マリガン監督、サリー・フィールド主演のファンタジー・ラブコメ。
サリー・フィールド演じるケイは再婚を控えた未亡人。
新生活を始めるため、3年ぶりにかつて住んでいた家にやってきたケイはそこで夫ジョリーの幽霊に出くわす。
kissme.jpg

この幽霊をジェームズ・カーンがダンディに演じていてタップダンスまで披露してくれます。

夫との思い出が蘇るケイに婚約者のルパートは困惑し、
死人に負けてたまるかと、神父経験のある友人に依頼しエクソシズムで霊を追い出そうとする。
霊魂=悪魔という考えは宗教的なのかは置いておいて、若くて爽やかなジェフ・ブリッジスがルパートをまじめに演じているのが可笑しい。
kissme2.jpg
劇中、幽霊のジョリーが自分の存在をルパートにわからせるため、ルパートだけが知りえる名前をケイに言わせるシーンがあるんですが、その名前が本作のオリジナルであるブラジル映画の主人公の名前だったらしい。
知ってるものだけがにやりとできる粋な演出ですね。
ただ、知らないものからすれば意味をなさないわけで、私などは唐突に感じてしまったというのが正直なところ。ちなみにオリジナルは死んだ夫は遊び人だったが、セックスだけはよかったという話のようで、ロバート・マリガンは「遊び人」の部分だけを取り上げ、純情なラブコメにしてしまった形でしょうか。

最後は、もしやジョリーがルパートに憑依したのかな?と思ったのだけど、多分それでは映画の趣旨に添わないでしょうね。ケイとルパートは愛を確認し合ったばかり。だからルパートはルパートでなければならないんだと思う。
人は新しい愛に生きることができるのだと、ちょっと元気が出る作品。


映画データ
原題:Kiss Me Goodbye
製作国:アメリカ
監督:ロバート・マリガン
脚本:チャーリー・ピータース
出演:サリー・フィールドジェフ・ブリッジスジェームズ・カーン 他
オリジナル映画:『未亡人ドナ・フロールの理想的再婚生活』

テーマ:映画感想
ジャンル:映画

タグ:か行 80年代 サリー・フィールド ジェフ・ブリッジス ジェームズ・カーン

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